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子供矯正Q&A

歯並びが悪くて矯正歯科治療をする場合、何歳からはじめるのがよいですか?
お口の中の状態は一人一人違うので一概に「開始は何歳から」と断定することは出来ません。
矯正歯科治療は基本的に健康な歯であり、歯肉や歯根膜、歯槽骨などの歯周組織も健康であれば、何歳になっても出来る治療です。実際に欧米では50歳代や60歳代で矯正歯科治療を受ける患者さんも珍しくありません。日本でも最近では患者さんの機能的・審美的要望が高くなってきている関係から次第に中年期以降に矯正歯科治療を行う患者さんは増えています。 しかし、矯正歯科治療をはじめるのに理想的なのは、上顎も下顎も成長段階になる発育期です。それは歯並びと咬み合わせの問題はその土台となる顎の形や大きさの問題と切り離せないからです。 矯正歯科治療は早期治療と本格治療に分けられます。早期治療とは乳歯の時期や、乳歯と永久歯が混じり合っている混合歯列期に顎の成長を利用して咬み合わせや顎のバランスの改善を行うことです。 そして永久歯が生えそろい、顎の成長がほぼ落ち着いてからはじめるのが本格矯正歯科治療です。 早期治療を実際にはじめた年齢として多いのは、7歳〜9歳です。これは、ちょうど上下の前歯が乳歯から永久歯に生えかわり、将来の歯並びがある程度予測出来ること、放置しておいても自然に改善してくることがないこと、そして患者さんとなるお子さん自身に歯並びに対する問題点や矯正歯科治療に対する自覚が生まれることが理由として挙げられます。 この時期の治療には比較的シンプルで着脱可能な装置を主に使用して、顎の成長を利用し、上下顎のバランスの不調和を改善したり、顎の大きさと歯の大きさの不調和を改善することを目的にして矯正歯科治療を行います。 ただし、骨格的なズレが大きな受け口や開咬、交叉咬合などの不正咬合は永久歯の前歯が交換する以前に治療を開始した方が良い場合もあり、ケースバイケースです。歯並びや咬み合わせで気になったことがあれば、その時点でお気軽に歯科医院や矯正歯科専門医院にご相談下さい。 尚、強いて治療開始に適した年齢を挙げるならば、アメリカ矯正歯科医学会(American Association of Orthodontists:AAO)では、「7歳を迎えたら矯正歯科専門医に受診して矯正歯科治療を開始する時期を判断して頂きましょう」と呼びかけていますし、日本矯正歯科学会でも治療開始時期に関してはアメリカ矯正歯科医学会の考えを支持しております。
指しゃぶりは何歳ぐらいまでにやめさせれば良いでしょうか?また、その方法は?
指しゃぶりは生理的・本能的なもので、発達段階には必要な生理現象と言われています。
胎児が母親のお腹の中で指しゃぶりをしていることはよく知られています。しかし、いつまでも続けていると、歯並びや顎の形や顎のバランスに影響を及ぼし、上顎前突(出っ歯)や開咬などの不正咬合を起こしたりします。 また、指しゃぶりを続けているうちに、ものを飲み込むときに舌を前方につきだして飲み込む癖が出てくることがあります。このような舌の癖を「舌癖」とか「タングスラスト」と言います。舌癖が定着してしまうと、発音にも影響を出てきて、サ行やタ行の発音がきちんと出来なくなることもありますし、歯並びにも影響を及ぼします。 舌癖が定着した場合にはお母さんや歯科医が注意するだけではなかなか治らず、特殊な装置を口の中に装着して舌の動きを抑えたり、舌の正しい位置や動きを習得するトレーニングを続けたりと、地道な治療が必要になります。 では、いつまでに指しゃぶりをやめればよいのでしょうか? 平均的には3歳までにやめれば大丈夫でしょうと言われています。 しかし、実際は5、6歳まで指しゃぶりをしていても歯並びに影響がでていない子もいれば、3歳には指しゃぶりをやめたにもかかわらず歯並びに影響が出てしまう子もいます。この点は指しゃぶりの頻度や指を吸う力などの程度によって変わってくるのでしょう。 指しゃぶりは簡単にやめられるようであれば、早めにやめさせておいた方が無難でしょう。 しかしながら、歯科的には継続して行われてると歯並びや咬合に問題を起こす可能性がある指しゃぶりですが、一方では指しゃぶりにはお子さんの抱えているストレスを軽減していると言う心理的な側面も指摘されております。最近ではそのような観点から無理矢理、指しゃぶりをやめさせるようなことは通常行いません。お子様ご本人に指しゃぶりがなぜ良くないかお話しをてあげたり、お子さんを外で元気よく遊ばせてあげる時間を増やして疲れて寝付くようにしてあげるのが良いでしょう。また、就寝する際に指しゃぶりをしないようにお父さんお母さんが手を繋いで寝てあげたりすることもよい方法です。 ほとんどのお子さんは、幼稚園や保育園に通院し出すと徐々に社会性を身につけて、周りのお子さんが指しゃぶりをしていないことを見て、自然に指しゃぶりを行わなくなっていきます。 永久歯に生えかわっても指しゃぶりをしていて、歯並びや噛み合わせが悪いことを学校歯科健診などで指摘された場合には、矯正歯科専門医院にご相談されることをお勧めします。 また、「おしゃぶりの常用」や鉛筆やタオルなどをくわえるような癖も、継続すれば歯並びに影響を及ぼしますので、ご注意下さい。特に最近では、育児雑誌などの影響により「おしゃぶり」を常用されているお子さんを多く見かけます。おしゃぶりの長時間使用は歯並びに影響を及ぼし、発語の機会が減るので言語発達にも影響を及ぼすと小児科医は指摘しています。その上で「1歳前後で常用しないようにし、遅くとも2歳半までにはやめましょう」という見解をまとめています。
歯科健診で上唇小帯付着異常があると指摘されました。歯並びに影響がありますか?また、いつ頃、どのように対処すればよいでしょうか?
上唇小帯が歯の近くまで付着している場合は、歯並びでは上の前歯の空隙が閉じない状態(正中離開)の原因になることがあります。
また、唇の運動がうまくできなかったりして自浄性が低下しムシ歯や歯肉炎を起こすこともあります。出生から乳幼児期までは成長による上唇小帯の付着位置や形状の変化が著しい時期ですので様子を見るのがよいでしょう。 乳歯列完成後は、上唇小帯は成長による変化が少なくなりますが、この時期にも唇の運動制限による発音障害や摂食障害が無ければこのまま様子を見るのがよいでしょう。乳歯列期は本来、歯と歯の間には空隙があるのが普通で正常な状態です。 学童期になり、前歯が永久歯に交換しても上唇小帯付着異常があり正中離開を起こしている場合には、切除手術が適応となることがあります。しかし、このような場合でも正中離開の原因は、隣接する側切歯の先天欠如や側切歯の口蓋側への転位、正中過剰埋伏歯の存在など他にも原因がある場合があります。歯科医院や矯正歯科医院で十分診査をし、きちんと検査をして診断後に処置を検討されてはいかがでしょうか? 上唇小帯が正中離開にどの程度影響を及ぼしているのかの判断は非常に難しく上顎の前歯の間にわずかな空隙が見られることは歯の萌出方向の関係から上顎犬歯の萌出前であれば正常な場合があります。そのために付着異常が顕著でなければ上顎犬歯が萌出するまで様子を見て、犬歯萌出後も自然に閉鎖しなければ、矯正歯科治療により空隙を閉鎖し、小帯切除を行うのが最良でしょう。この場合には歯科、矯正歯科、口腔外科での連携治療を必要とする場合があります。
まだ、乳歯ばかりで永久歯は生えていませんが、あごが小さいので永久歯が生えてきてからの歯並びが心配です。
あごの大きさと歯の大きさのバランスが悪い場合には叢生という歯並びが凸凹な状態の不正咬合になる可能性があります。
しかしながら、このような場合でも矯正歯科治療を開始するのに適正な時期は上顎の前歯が2本〜4本、下顎の前歯が4本永久歯に交換した頃がよいでしょう。年齢では大体、7歳〜8歳頃です。この時期までは積極的な矯正歯科治療を行うことは、ほとんどありません。(Q1の回答を参照下さい) 矯正歯科相談適応年齢までの間ご家庭でご注意頂くことは、まず、むし歯を作らないことです。そしてもし、むし歯が出来てしまったらきちんと治療しておくことが大切です。特に歯と歯の間に出来たむし歯を放置しておくと、後方からの永久歯の萌出により永久歯への交換スペースが失われて、さらに叢生がひどくなることがあります。注意が必要です。 また、現代のお子さんが避けがちな歯ごたえのある・噛み応えのある食べ物を好き嫌い無く、よく噛んで食べることも重要です。顎の筋肉は使われなければ発達しませんし、その筋肉がくっついている骨も発達しません。硬い食べ物でもよく噛んで顎骨の発達を促すことはよいことです。
3歳児健診で開咬を指摘されました。これからどうしたらよいでしょうか?
3歳児の乳歯列の開咬は、ほとんどの場合「指しゃぶり」(吸指癖)が原因です。
骨格的に問題がなかったり、舌癖がなければ、「指しゃぶり」をやめれば開咬は自然治癒することがほとんどです。そのために早めに「指しゃぶり」をやめさせることが出来れば、基本的にはこの時期には矯正歯科治療を開始することはなく前歯が永久歯に交換する時期まで様子を見ることがほとんどです。 しかしながら、頑固な習癖により骨格形態に問題が生じ始めてきているような場合には筋機能療法(MFT)や習癖を除去する装置などを用いて矯正歯科治療を行う場合もあります。ただし、3歳ぐらいの年齢のお子さんに矯正歯科治療を行うことは非常に困難です。 通常は、上下の前歯が永久歯に交換したぐらいの7歳〜8歳ぐらいから矯正歯科治療を行うことが多いでしょう。しかし、治療開始のタイミングは素人では解りにくいので、歯科医院や矯正歯科医院にて早めにご相談をされ、定期的な観察をして治療のタイミングを見計らって頂くとよいでしょう。 開咬による問題は下記のような事項が挙げられます。 1) 前歯が噛まないので、食べ物がうまく噛み切れない 2) 発音に問題が生じる 3) 口呼吸の原因となる 4) 奥歯だけに噛むときの負担が掛かり奥歯に歯周病の問題などが起こりやすい 5) 顎の関節にも負担が掛かりやすく顎関節症の原因となることがある 開咬を放置しておくと上記のようないろいろな問題が発生してくることがあります。また、放置しておくと状態が悪化してくることが予想されますので、可能ならば早めに歯科医院や矯正歯科医院にてご相談をされることをお勧めします。
子どもの永久歯の歯並びをキレイにするために、乳歯列の頃から行っておいた方が良いことはありますか?
歯並びは遺伝的要因と後天的な要員によって決まります。後天的な要員のうちで、気をつけておきたいのは習癖です。
習癖は歯並びに大きく影響を及ぼします。まずは指しゃぶりや口呼吸、片側噛みなどの習癖がないかチェックして下さい。このような悪習癖があれば改善するように心がけましょう。尚、悪習癖の改善には歯科医院などでの指導が必要な場合もあります。 もう1つ後天的な要員で歯並びを悪くしてしまうのはムシ歯や、ムシ歯などにより喪失した乳歯の部分を放置した置いた場合です。この場合には、後に続いて生えてくる永久歯の萌出スペースを失い、歯並びが悪くなってくることがあります。特に歯と歯の間に出来たムシ歯を放置しておくと、後方からの永久歯への萌出により永久歯への交換スペースが失われて、永久歯がキレイに並ばず叢生という不正咬合になることがあります。乳歯のムシ歯は永久歯に交換するからと放置せず、きちんと治療を受けておきましょう。 習癖や、乳歯の早期喪失などがなければ遺伝的な要素により顎の大きさや歯の大きさ、咬み合わせなどをご両親から受け継ぐので、ご両親のどちらかによく似た歯並びや咬み合わせになるでしょう。 一般的に、矯正歯科治療を相談するのに適正な時期は上顎の前歯が2本〜4本、下顎の前歯が4本永久歯に交換した頃がよいでしょう。年齢では大体、7歳〜8歳頃です。 乳歯列の頃はあまり心配せず毎日の食事の中で歯応えのある食べ物を好き嫌い無く、しっかり噛んで楽しく食べることに留意されて下さい。 また、食後の歯磨きをきちんと行う習慣を身につけておくことでムシ歯予防をし、一生健康な歯を保っていくための基礎にもなります。定期的に歯科医院でムシ歯予防の検診を受けたり、歯磨き指導やフッ素塗布をして頂きムシ歯予防をしていくことも有効です。もし、ムシ歯が出来てしまったらきちんと治療しておくことも大切です。
乳歯の歯と歯の間に隙間が多いのですが、大丈夫でしょうか?
乳歯列では歯と歯の間には空隙があることは正常です。これは霊長空隙とか発育空隙とよばれるもので心配はいりません。
永久歯に生えかわった時点でも空隙が残っている場合には歯科医院や矯正歯科医院で相談されて下さい。乳歯列ではかえって、歯と歯の間に隙間がなく、キッチリと並んでいる場合の方がこの後に交換して生えてくる永久歯の萌出スペースが不足し、デコボコの歯並び(叢生)になる可能性が高く心配です。 尚、永久歯の上の前歯の正中離開の場合、萌出過程における問題がない空隙であれば、側切歯、犬歯の萌出に伴い自然に閉鎖します。ただし、下記の場合には自然に改善する可能性がありませんので、歯科医や矯正歯科専門医にご相談の上、適正な時期に矯正歯科治療などをされるのが良いでしょう。 1) 正中過剰埋伏歯が存在する場合 2) 上唇小帯付着異常がある場合 3) 中切歯が唇側に出過ぎたりしていて、側切歯が中切歯の内側に萌出してくる場合 4) 側切歯が先天欠如している場合
乳歯から永久歯に生えかわる順番が変わっていました。歯並びに影響がありませんでしょうか?
乳歯から永久歯への生えかわる順番が変わっていたとのことですが、乳歯が何らかの理由で歯根吸収が遅れ晩期残存していたりすると、その後に生えてくる永久歯の萌出は遅れてきます。
一般的には、永久歯はその歯根の3/4が完成時には萌出します。この時点を経過しても歯根吸収が不十分で残存している乳歯は抜歯して頂いた方が良いでしょう。晩期残存した乳歯があると、その後に生えてくる永久歯の位置異常をきたしたり、転位歯や交叉咬合が生じることがあります。乳歯が抜歯され、その後に生えてくる永久歯の萌出スペースが十分にあれば、唇や頬の筋肉と舌の力によって、位置異常は自然に治ることもあります。 また、歯が生えてくるのが遅い場合にも注意が必要です。それぞれの歯の萌出時期は生え替わりの早いお子さんと遅いお子さんでは2年ほどの個人差があります。ただし、左右の同じ部位の歯で萌出時期が半年を超えて著しく差がある場合には、レントゲンなどを撮影して、何らかの問題がないか確認をして頂いた方が良いでしょう。 レントゲン検査で問題が認められた場合には、対応を歯科医師とご検討下さい。
子どもは未だ全部の歯が乳歯ですが、上下の前歯が反対に咬み合っています。いつから矯正歯科治療をするのが良いでしょうか?
乳歯の反対咬合は永久歯への交換時期である6歳から7歳頃に、交換の際に自然治癒する場合があることが報告されています。
それまでは様子を見ても差し支えないと考えられます。 反対咬合のお子さんでもお鼻の当たりが引っ込んでいるような横顔が三日月顔貌の骨格性反対咬合が疑われる場合や、顎の左右非対称が顕著な場合や、ご家族に骨格性の反対咬合の方がおいでになる場合には遺伝的な要素が強いので矯正歯科治療を早めに開始する必要が望まれる場合があります。それでも治療開始は6歳ぐらいで幼稚園の年長ぐらいからでしょう。 反対咬合は思春期成長期を迎えると場合によっては矯正歯科治療のみでは治療が困難になり、外科的手術を併用しなくては改善できないことも出てきます。7歳〜8歳ぐらいの上顎の前歯が2本〜4本、下顎の前歯が4本永久歯に交換した頃に、必ず一度、矯正歯科専門医院に受診し相談を行うようにされて下さい。ただし、矯正歯科治療は手術を併用するような難易度の高い矯正歯科治療になる可能性があるものの、健康な歯と歯肉や歯根膜、歯槽骨などの歯周組織も健康であれば何歳になっても矯正歯科治療は可能です。 さて、適切な治療開始時期をめぐっては歯科医師の間でも意見が分かれており、大きく2つの考えがあります。 1つは、不正咬合の形態のみならず咀嚼・嚥下障害や発音障害などの機能的な問題に対応するために乳歯列が完成した早い時期から(3歳頃から)対応するべきであるという考え方です。 これに対して、乳歯列期から早期に治療をすることが必ずしもお子さんやそのご家族にとって、スムーズに治療が成功し利益が得られるとは限らないために、お子さんの理解が得られ、ある程度自分で意志決定ができるようになる年齢の混合歯列期まで経過観察などを行ってから、矯正歯科治療開始し、効率的な治療を行うべきとする意見があります。 いずれにしても現状の問題点や将来の展望を見据え、治療をされるお子さん本人の心理的な発達も考慮しながら治療の開始時期を慎重に判断されるのが良いでしょう。 乳歯の反対咬合が改善しても、永久歯に交換したり、思春期成長の頃に下顎が前方成長してきて、また、反対咬合になってくる場合もあります。治療開始時期を安易に考えず、長期的治療計画の下で永久歯列が完成し、顎の成長が落ち着く頃まで歯科医院にてきちんとフォローアップして頂くことが重要です。
永久歯の前歯が生えかわってきました。とても大きな歯で、将来、永久歯が並びきるのか心配です。
永久歯は乳歯より大きいのは当然ですので萌出してきた当初は、今まで生えていた乳歯の大きさや、隣に生えている乳歯の大きさと比較するために、永久歯は大きく感じるでしょう。
永久歯がきちんと並びきるかどうかは、顎の大きさとの歯の大きさのバランスの問題です。通常は乳歯列後期で永久歯に交換する直前には顎の成長により乳歯と乳歯の間には霊長空隙や発育空隙と言われる空隙がある状態が正常です。永久切歯は対応する乳切歯より歯の幅が大きいため空隙がないと永久歯の切歯萌出スペースは不足します。乳歯の段階で歯と歯の間に空隙がない状態は要注意です。 永久歯の切歯萌出スペースが不足している場合には萌出方向が変化したり、萌出が遅れることがあります。「乳歯がなかなか抜けない」とか「乳歯が抜けてもなかなか後継永久歯が生えてこない」と言った場合には歯が捻転していたり、舌側転位している可能性があります。乳歯の動揺がほとんどないような場合、乳歯の歯根吸収が進んでいないことが考えられるためにレントゲン写真を撮影して、必要ならば乳歯を早めに抜歯した方が良い場合があります。 矯正歯科医院では永久歯前歯の叢生(デコボコした乱ぐいの状態)に対しては、4本の前歯が萌出するまで経過観察を行うのが一般的です。その後の対応としては、そのまま経過観察を継続するか、乳歯の犬歯の抜歯や乳歯の犬歯の隣接面を削ることで永久歯萌出の誘導を行うか、あるいは矯正装置を使用し、歯列の拡大を行い積極的に萌出スペースを増していくかを選択することになるでしょう。いずれにしても、治療に関しては歯科医や矯正歯科専門医に相談されて、今後の歯列・咬合の変化に関して予測をしていただき、十分説明を受けてからどのようにされるかを判断して下さい。
子どもの下の前歯の乳歯の内側に永久歯が生えてきました。すぐに抜いた方がよろしいでしょうか?それとも、もう少し待っても良いでしょうか?
下顎の永久歯は乳歯の舌側に萌出してくることは良くあることです。
それは、一般的に永久歯切歯の歯胚は乳歯の舌側の根端寄りに形成されるからです。その結果、十分な空隙が乳歯の歯と歯の間にあっても、乳切歯の歯根吸収がうまく進まず、舌側に萌出する傾向にあります。そのために一時的に乳歯と永久歯が前後に重なった状態になりますが、乳歯が脱落し、舌による内側からの力によって、徐々に自然に前方に出てきます。あまり心配しないでよいでしょう。 ただし、乳歯がぐらぐらして、食事をしたりすると痛がったり、乳歯と永久歯の間に汚れが貯まりやすくムシ歯や歯肉炎になりやすいことを考慮すると抜歯をするという選択肢もあります。よって、この場合の対応はケースバイケースですので、心配な場合には歯科医院にてご相談されることをお勧めします。
子供の歯ぎしりがひどいのですが、どうすればよいでしょうか?
歯ぎしりの原因には咬み合わせが悪いなどの口腔内の異常、心理的原因による筋緊張亢進、全身的疾患から起こるものがあると言われています。
しかしながら、その原因を個別に特定することは難しく、歯ぎしりを完全にやめさせる決定的な方法は現在のところ解っておりません。よって、歯ぎしりに対する治療としては対処療法になります。 また、歯ぎしりは乳歯から永久歯への交換期に多い習癖でもあるようです。まずは様子をみて歯ぎしりが長く継続する場合には、歯の咬耗、歯周組織の問題や顎関節に問題を引き起こすことがありますので、歯科医院にてご相談下さい。
悪い歯並びは治療しないとダメでしょうか?
歯並びに限らず、歯科治療や医療をどのようにされるかの最終的な決定権は当然、それをお受けになる患者さん本人にあります。
よって、悪い歯並び歯並びである不正咬合を治療しなければいけないというわけではありません。特に日本の医療制度においては、矯正歯科治療は一部の特殊な場合を除いて自費治療です。治療を行うか否か、またどの医院で治療を行うかの判断のために治療法や治療期間、費用や支払い方法などに関して事前に十分に説明を受け情報を収集され、治療選択や医院選択の材料にされることをお勧めします。 また、歯並びが悪いことによって起こりえるデメリットと矯正歯科治療を行うことで得られるメリットとデメリットなどに関してもご説明を受けて、治療に関してはご家族で検討されるのが良いでしょう。 歯並びが悪いと下記のようなデメリットがあります。 1) 歯ブラシが届きにくく磨き残しなどができやすいために、ムシ歯や歯肉炎になりやすい 2) 発音がしにくい 3) しっかり咬めないので、咀嚼しにくく、胃腸など消化器官に負担を掛けやすい 4) 一部の歯に負担が掛かるために歯周病で歯を失う可能性が高くなる 5) 顎の関節に負担を掛け顎関節症などの問題を起こすことがある 6) 顎の成長発育に影響を及ぼす 7) 外傷などを受け易く歯を失ったりする原因になりやすい 8) 口元や笑顔に自身が持てず、コンプレックスを持つことがある 9) 肩こりや頭痛などの体調不良の原因となることがある また、歯並びが悪いと歯を失い易いのですが、失った後の補綴治療も歯並びが悪いことにより困難となり比較的大規模な補綴歯科治療が必要になることもあります。その場合には医療費もかなり高額になることがあります。矯正歯科治療を行いきれいな歯並びにしておくことは、ムシ歯や歯周病などの予防になり、将来の医療費を軽減させうる可能性があります。 お子さんの明るい将来と健康的な生活を送ることを考えれば、成長期に矯正歯科治療を行っておくことは非常に価値があることが理解出来るかと思います。アメリカではお子さんの歯並びをきちんと矯正歯科治療することは親の役目という認識が強く、お子さんが生まれた時から矯正歯科治療を行う際の貯蓄や資産運用をするそうです。これからのお子さんは将来、世界中で益々グローバルな環境での活躍が期待されます。そんな時に恥ずかしい想いをしないためにも、社会に出る前に矯正歯科治療をしておくことも一考かと思われます。
子どもが学校から学校歯科健診の結果が記された歯科健診票をもらってきました。ムシ歯はありませんでしたが、不正咬合と指摘を受けました。どのようにすれば良いでしょうか?
1995年から学校歯科健診において歯列・咬合の健診項目が追加されました。
学校歯科健診における診査基準が設定されるにあたっては、すべての不正咬合を指摘するのではなく、将来の咀嚼機能などに影響を及ぼすような不正咬合についてスクリーニングするようになりました。 歯並びや咬み合わせの異常は、受け口(反対咬合)、出っ歯(上顎前突)、開咬、乱ぐい歯(叢生)、すきっ歯(空隙歯列)などを目安に判定されます。 残念ながら日本における矯正歯科治療は、ごく一部の特殊な疾患による不正咬合を除いて保険の対象になりません。つまり、制度上保険で治療出来ない異常を学校歯科健診の項目にあるからと全ての不正咬合を指摘することは保護者に対して混乱を起こすことになりかねません。その結果、比較的重傷な不正咬合が抽出されることになります。 よって、学校歯科健診で指摘を受けた不正咬合は学校歯科医から見ても治療を行った方が良い比較的重傷度の高い不正咬合ではないかと思われます。 健診の目的は「心身の健康に影響を及ぼす可能性のある不正咬合をスクリーニングすること」です。不正咬合の欄に○がついていたからといって、必ずしも矯正歯科治療しなければならないわけではありません。不正咬合の矯正歯科治療をされるか否かを決めるのはご本人とその保護者となるご両親です。決定される上ではいろいろな情報を得る必要がありますので、この機会に歯科医院や矯正歯科医院を受診されご相談され、現状と今後の歯列咬合の変化に関する予測や問題点などの説明を受けるのもよいでしょう。(Q13参照)
矯正歯科治療を行う際に、健康な歯を抜くこともあると聞きました。どうしても抜かなければならないのでしょうか?
確かに、ムシ歯でもない健康な歯を抜くことは誰でも抵抗感があると思います。矯正歯科医も、できれば抜かずに治療をしたいと考えています。
しかし、歯の並ぶ顎が小さかったり、顎の大きさに比べて歯が大きかったりすると歯はキレイに並ぶことができません。そのため矯正歯科治療では歯がきちんと並ぶスペースを作るために抜歯を行う場合があるのです。どの歯を何本抜くかはそれぞれの患者さんの歯並びの状況によって異なりますが、一般的には審美的にも咀嚼などの機能的にも一番影響が少ない小臼歯を上下左右1本ずつ計4本抜歯することが多いでしょう。 小学校低学年ぐらいで顎が未だ顎が成長発育する早期から矯正歯科治療を開始した場合には、顎の成長発育を積極的に利用できるために、将来の永久歯が揃ってからの矯正歯科治療の際に抜歯を回避できる可能性もあります。これは上顎も下顎も成長期にある子供のうちから矯正歯科治療をはじめるメリットの1つと言えるでしょう。例えば上顎の歯列の幅が狭くて歯がキレイに並ばず前方に飛び出しているような上顎前突でも、顎がまだ発育段階にあれば、上顎歯列の拡大装置を装着し調整していくことで上顎骨を10mm程度横に広げることができます。それによって歯がキレイに並ぶスペースを作ることができます。 ただし、拡大しても十分に歯並びが整えられないほど顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪かったり、上顎と下顎の前後的なバランスが悪かったりする場合には、成長期に矯正歯科治療を開始したとしても抜歯を行わなければならない場合もあります。もっとも大切なのは、歯を抜く、歯を抜かないではなく、きちんとした咬み合わせで、機能的にも審美的にも調和のとれた状態に治療し、安定した歯列・咬合状態が治療後も維持されることです。そのための方法として、どうしても抜歯をしなければ治療ができない場合もあることをご理解下さい。
乳歯の咬み合わせが悪くても、生えかわるから放っておいて大丈夫でしょうか?
ただ放置するのではなく、咬み合わせや歯並びの変化には十分注意しておきましょう。そして、問題なく永久歯に生えかわるのを見極めましょう。
通常、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診のときに歯科健診も行われ不正咬合のチェックがなされます。この時に指摘されるのは、下の前歯が上の前歯より前に出ている反対咬合が一番多いと思います。この反対咬合は日常生活の中でも、周りの人が比較的簡単に確認できるため、ご家族が心配されることが多いようです。上の前歯が永久歯に生えかわるときに乳歯よりも少し前方に傾いて歯が生えてくる場合が多いため、この時に自然に治ってしまうこともあります。ただし、ご両親のご家系に骨格的な受け口の方がおいでになるような場合には注意が必要です。 前歯が乳歯から永久歯に生えかわった頃が、歯科医院や矯正歯科医院に相談をするタイミングの一つでしょう。 また、ご家族で観察をされることに不安がある場合には矯正歯科治療に適した時期になるまで、3ヶ月〜半年に1回程度、歯科医院や矯正歯科専門医院にて定期観察を行っていただくこともよいでしょう。
学校のクラブ活動や授業への影響はどの程度あるのでしょうか?
一般的なスポーツで矯正歯科治療が支障になることはほとんどないと思われます。
ただし、格闘技系など顔面を強打する恐れがあるスポーツは口の中を切る事故につながりやすく、おすすめできません。また、取りはずし式の装置をスポーツ時につけていると、息苦しかったりズレたりして危険なことが多いので、はずしたほうがよいでしょう。スポーツ中に口の中の矯正装置がきになる場合は、マウスピースなどでカバーする方法もあるので、主治医に相談してみましょう。  授業への影響はほとんどないと言えますが、種類や治療の時期によっては話しにくさや英語の発音などがしづらいこともあります。また、矯正装置を入れた直後やワイヤーの力を強める治療をした後は、痛みが出て集中力の妨げになる場合も。定期試験やスポーツの試合、文化祭といった大きな行事があるときは、歯に加える力を調整したり、治療の時期を多少変更してもうらなど、主治医と相談してください。 尚、矯正装置を装着する際や動的矯正歯科治療期間が終了して装置を全部外して、リテーナーに変えるときなどには治療時間が長時間必要な場合があります。そのようなときには通常は学校に行かれてる時間帯に予約が必要な場合もあります。学校行事や矯正歯科医院の予約時間を調整してスムーズに矯正歯科治療が進行するようにしょう。
矯正装置をつけるのを恥ずかしがる、うちの子。前向きに治療を受けさせるにはどうすれば?
正しい理解をうながす努力を。
矯正歯科治療は治療期間が長く、その間、家庭での歯の手入れなど、患者さんの協力が必要になってくるので、治療する子ども本人が矯正歯科治療をいやがる場合は、一般的に治療開始は難しいといえます。しかし、子どもの拒絶のほとんどは、治療に対する不理解や誤解、不要な恐怖心から起こる現象のようですから、矯正歯科治療や不正咬合に関する正しい情報を話し、本人が正しく理解してくれれば、可能性はあるのではないでしょうか。そのためにも家族で矯正歯科治療についてよく話し合いをして、子どもに理解を深めてもらったり、子どものまわりの人にも矯正歯科治療について知ってもらい、協力してもらうことが必要だと思います。  また、治療をいやがる子どもには、精神的に未熟な場合もあります。そのようなケースでは、治療に入る前に、矯正歯科医院で定期観察やブラッシング指導を受け、医院の雰囲気に慣れさせるなどして、子どもの成長を待つことも必要でしょう。
子どもが矯正歯科治療を始めるにあたり、親として、どんなことに気を付けてあげればいいでしょう?
ときに励まして、子どものやる気を持続させましょう。
お子さん自身に、なぜ矯正歯科治療するのかを十分に説明し理解してもらって下さい。  矯正歯科治療は期間も長く、日常的に矯正装置を入れたり、毎日の丁寧な歯みがきや定期的な通院が必要になったりと、治療する本人の努力や根気が求められることが多くあります。そのため、治療を始めるときは、子ども自身の自発的な意思があることが大切です。しかし、いざ治療が始まると、慣れない矯正装置への違和感などで、子どもがやる気をなくしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、ものをおいしくかんで食べられる幸せや、いつも明るい笑顔で人と接することのできる素晴らしさなどを話し、そのための第一歩が治療期間であることを伝えて、励ましてあげましょう。  デンタルケアに関しては家族みんなが関心をもって協力して下さい。  また、食後の歯みがきを忘れないよう、家族でサポートしてあげることも大切です。とくに固定式の矯正装置が口の中に入っているので、食べた後、歯みがきを丁寧にしないと、むし歯や歯肉炎になりがちです。治療の途中でむし歯ができると、場合によっては途中で装置をはずし、むし歯の治療を優先することも。そんなことにならないよう、例えば食後に親子で一緒に歯みがきをする習慣をつけてみてはいかがでしょう?  矯正歯科治療の場合、一般歯科治療とちがって、矯正装置自体も自分でつけたり、はずしたりする場合が出てきます。なかでも装置を「1日10時間つけてください」などと言われたときは、それをきちんと守らないと治療の効果があがりません。治療を子どもだけに任せず、ときに励まし、ときに注意を促しながら、子どものやる気を支えてあげてください。
子どもの時期から矯正歯科治療を始めると、治療期間が長くなるのではないかと気になります・・・。
治療期間は不正咬合の状態によって異なりますが、骨の成長を利用するには、やはりある程度の時間が必要です。
なぜ治療期間が長くなってしまうのかを理解し納得することがまず大切です。  例えば、上あごと下あごの骨格には何ら問題がなく、ただ前歯が1本だけ逆の咬み合わせになっていたとします。そのときに必要な治療とは、逆に生えた前歯を正しい位置に戻してあげること。これは、比較的簡単な治療と言えるでしょう。ただし、こうした簡単な治療であっても、定期的に観察して、乳歯から永久歯への生えかわりが順調かどうかのチェックは必要です。そして、仮に不具合が生じていたら、さらなる治療を行うことになるのです。  一方、上下の骨格のアンバランスを正していく治療の場合、骨の成長を利用しなくてはならず、それだけで年単位の歳月を必要とします。そして、骨格に対する治療が一段落し顎の成長が落ち着いてくれば、今度は歯の歯列と咬合の改善を、またある程度の時間をかけて治療することになります。結果として、長い期間が治療にかかるわけですが、ここで大切なのは、これを患者さんご本人に、あるいはご両親に受け入れていただけるかどうかです。  選択肢の広さも、早期治療のメリットのひとつ  骨の成長を利用する場合、使う矯正装置自体は比較的シンプルなもので済みますが、時間がかかってしまうのは事実です。しかし、それと同等の結果を「大人」になってから求めようとすると、手術であごの骨を切って動かすという選択肢しかなくなってしま場合があります。  子どものうちから始めるか、大人になってから始めるか。そのどちらを選択するかは、ご家庭によってそれぞれ価値観が異なるでしょう。矯正歯科医の意向を押し付けるわけにはいきませんが、治療する本人にとってどちらが負担が少ないかは、考えるまでもないと思います。
矯正歯科治療は大人になってからでもできるはず。子どものときから始めるメリットとは?
あごの成長発育が利用できるのは、子どもの時期だけです。
 子どもと成人の矯正歯科治療のもっとも大きな違いは、成長発育を利用できるかどうか、という点にあります。そもそも咬み合わせや歯並びの悪さは、歯だけでなく、あご(骨格)にも問題がある場合が多いのです。しかし、成長が止まってしまった大人の場合、不正咬合は歯の移動で治すしかありません。そのため、治療効果にも限界があると言わざるを得ないのです。また、大人であきらかに骨格に問題がある場合(例えば顎変形症など)は、外科手術を併用した矯正歯科治療が必要になってきます。  一方、発育過程にある子どもの場合、上下のあごの成長を抑制したり、促すなどして治すことができます。要するに、骨格と歯並びの両面から治していくことが可能なわけです。そのため、健康な歯の抜歯をせずに、不正咬合を治せる可能性も出てきます。また、使用する矯正装置も比較的シンプルなものであることと、子どもはむし歯や歯周病などによる治療あと(修復物や補てつ物)が大人に比べて少ないため、矯正装置の装着が容易にできるのもメリットです。さらに、学校や近所にも矯正歯科治療中の子どもも多くなってきているため、疎外感もなく、治療になじむのも早いと思います。  ただし、子どもの場合、本人のやる気というより親の意向で治療を始めることも多く、矯正歯科治療に前向きではないケースも考えられます。ご家族のサポートで子どものやる気を持続させてあげましょう。
受け口は早めの治療が大切と聞きましたが、それはなぜ?
成長とともに、治療が難しくなるためです。
 成長期の治療では比較的簡単に治る「機能性の受け口」  受け口の成り立ちには、実は2通りあります。ひとつは「機能性の受け口」。これは、通常だと奥歯でかみ砕く食べものを前のほうの歯でかんでいるうちに受け口になってしまった場合です。また、前歯の傾きに不具合が生じて、かみ込むと下あごが前歯に誘導されて受け口になってしまうのも機能性の受け口です。これらの場合、ものを食べるときなどに、いったん上の前歯と下の前歯が当たってから下あごが前に出るという特徴があり、上下の咬み合わせも深くなります。この機能性の受け口は、下あごが大きすぎて受け口になっているわけではないので、発育期の早期治療で上の前歯の傾きを正しくしてあげることで、比較的簡単に治療することが出来ます。反対に、この段階で治療をせず、そのまま放置すると、ずっと前かみをして反対に咬んでいることで上あごが前方に成長出来ないまま、下あご自身の大きさが本当に大きくなってしまい、治療が困難になるケースもあるのです。    時間をかけて取り組みたい「骨格性の受け口」治療  そして、もうひとつの受け口は、本当に下あごの骨が上あごに比べて大きい「骨格性の受け口」です。これには遺伝的な要因があったりするのですが、上下の前歯が当たることはありませんし、咬み合わせも浅いのが特徴です。この場合も、やはり発育に合わせて矯正歯科治療で上あごの骨が前方へ少しでも大きく成長するよう、力をかけていくことが大切になります。とくに骨格性の受け口の場合、成長に応じて年単位の地道な努力が必要になってくるため、学童期の早いうちの治療が望ましいわけです。  ここまで読んできて「発育期から始めるのなら、下あごの成長を押さえ込めばよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際には下あごが成長する方向を変えることはできても、抑制することはできません。ですから骨格性の受け口は治療が難しいとも言えるでしょう。また、下あごが成長するポテンシャルが大きければ、たとえ一時的に下あごの成長を抑制できても簡単に再発します。それを防ぐため、骨格性の受け口の場合、矯正歯科治療が済んだ後も定期的な観察が必要になることも覚えておいてください。
最初はイヤがっていたのに、自主的に「矯正歯科治療を始めたい」と言い出したうちの子。治療を受けるに当たって、子どものやる気を持続させるための親の心得とは?
子どもの矯正歯科治療では、ご両親を始めとする、ご家族の協力が不可欠です。
逆に言うと、治療する本人にやる気がないと周囲がどれだけ熱心に勧めたところで治療は成功しづらいでしょう。特に矯正装置をつけた当初は、違和感や痛みで食欲が落ちることもあります。そんなときは食事に柔らかな食べ物を用意してあげたりすることも必要でしょう。またモチベーションを維持するように、将来、食べ物をおいしく噛んで食べられる幸せや、いつも明るい笑顔で人と接することのできる素晴らしさを獲得する第一歩が今の治療期間だということを話すなどして、やさしく励ましてあげてください。  また、月に一度の通院日は忘れずきちんと来院できるようカレンダーに記入しスケジュール管理をしてあげたり、食べた後の歯みがきを家族の習慣にするなど、治療を子どもだけのものにせず、家族ぐるみでサポートしていくことが大切です。
息子が歯医者さんで、「舌の位置がおかしい」と言われました。どうやら、ツバを飲み込むときに前歯の後ろを押しているみたい。放っておくとよくないものですか?また、舌のクセを変えるにはどうすればいいのでしょうか?
私たちは1日600〜2000回も飲み込む動作をしています。
そのため、ツバや食べ物を飲み込むときに、舌で歯を押すクセ(これを舌癖:ぜつへきと言います)があると、飲み込むたびに舌で歯を押していることになるため、出っ歯や受け口になったり、奥歯を咬み合わせても上下の前歯が合わさらない開咬になることがあるのです。また、舌のクセは発音にも影響し、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音になることも。普段の口もとにしまりがなく、物を飲み込むときに口もとに強い緊張が見られたり、発音が不明瞭に聞こえるなら、舌のクセを改善する必要があると思われます。そのためには、適切なトレーニングと正しい舌や唇の位置へ普段の心がけが欠かせません。トレーニングの指導を行っている矯正歯科医院へご相談ください。
中学校の吹奏楽部でフルートを吹いています。矯正歯科治療をすると演奏できなくなるのでしょうか?
矯正装置をつけた状態で管楽器を演奏する場合は、どの管楽器でも、どうしても矯正装置をつけない状態と全く同じようには吹けないのが実情だと思われます。
矯正装置をつけた状態で管楽器を演奏する場合は、どの管楽器でも、どうしても矯正装置をつけない状態と全く同じようには吹けないのが実情だと思われます。ただし、ひと言で管楽器と言っても、吹くときの唇と楽器の関係にはいろいろなタイプがあります。比較的、支障が少ないのは、フルートのような木管楽器やマウスピースの大きい金管楽器。一方、シングルリードのクラリネットやサキソフォンの場合、上下の歯でマウスピースを咬込むようにして音を出しますので、楽器を練習したり、演奏している時間が長時間に及ぶと治療に多少影響が出ることもあるようです。  いずれにしても、装置がついた状態での演奏に慣れるまでの期間は少しきれいな音色を出すのが大変かもしれませんが、吹けないことはありません。最近、管楽器の指導者の中には、歯並びやあごの関係を見て楽器の種類を選択したり、より良い音を出すために矯正歯科治療をすすめている指導者もいるようです。矯正歯科治療の開始前に矯正歯科医や吹奏楽の指導者に相談したり確認をしておくことをお勧めします。
まだ、幼稚園の子供ですが、歯科の定期検診は何ヶ月ごとにするのが良いのでしょうか?
定期健診は通常は3〜4ヵ月に1回程度が望ましいでしょう。
定期健診は通常は3〜4ヵ月に1回程度で年3〜4回受けるのが望ましいですが、少なくとも年2回は歯医者さんに行って健診を受けてください。子どもは、保育園、幼稚園、小学校などで集団検診がありますが、集団検診は、健診設備や健診環境、健診時間に制約がある為、必ずしも完全に診ることが出来ません。歯を大切にすることを考えれば、是非、定期的にかかりつけの歯医者さんに行って健診してもらいましょう。
10歳ですが、歯並びがガタガタです。今から矯正歯科治療をした方が良いでしょうか?
個人差が大きい時期です。歯科医や矯正歯科専門医に相談を!
人によっては、あごを広げる治療も可能ですが、乳歯がすべて抜けて永久歯になってから、本格的な治療をしたほうが良い場合もあります。成長や歯の状態、受験や親御さんの転勤など、お子さんを取り巻く条件は人それぞれ違います。矯正歯科専門医と相談して、治療に最適な時期を決めましょう。原則として、年齢が低いほど骨も柔らかく、成長を利用して歯を動かすことができますが、叢生のみの不正咬合の場合、永久歯が全て揃った状態や成長が止まった大人になってから矯正歯科治療をするという選択肢もあります。
12歳男子です。歯並びが悪いのに、矯正歯科治療を面倒くさがってイヤがります。
自覚が出るまで待った方がいいかもしれません。
男の子には、こういう子が実はとても多いです。親が無理矢理引っぱっていって矯正装置をつけることはできますが、その後の歯みがきもいいかげん、通院も面倒・・・では、むし歯をつくるだけで歯並びの矯正歯科治療も進みません。でも、外見を気にする年齢になったり、スポーツをすることでかみ合わせの重要性を自覚したときに、自分から「矯正歯科治療をしたい」と言うかもしれませんよ。アドバイスしつつ待ってみてはいかがでしょうか?
7歳の子供ですが永久歯の上の前歯が「ハ」の字型に真ん中に隙間が空いて生えてきました。このまますきっ歯になってしますのでしょうか?
上の前歯が外側の方向に「ハ」の字型に真ん中に隙間が空いて生えて来ることは良く見受けられることです。
永久歯の上前歯が4本はえた時期を、歯科医師たちは「みにくいアヒルの子の時代」と呼んでいます。前歯が外側に向かって生えるためみっともない印象になるのです。しかし、この時点ではあまり過剰に心配しないで下さい。あとから生えてきた犬歯が側方から前歯を内側に押してくれるので、正しい向きに修正されることが多いです。ただし、上唇小帯付着異常で、上唇の正中部が繊維性に前歯の裏側まで回り込んでいる場合などは犬歯が生えてきても隙間が空いたままになることがあります。このような場合には上唇小帯切除を行い矯正歯科治療をして正中離開の空隙を閉鎖します。また正中離開には、場合によっては過剰歯という余分な歯が原因になっていることもあります。この場合は過剰歯を抜歯し、その後、矯正歯科治療をして正中離開の空隙を閉鎖します。 素人判断をせず、気になったら矯正歯科専門医の診断を受けましょう。